マテリアリティ
NSKグループは、私たちが重点的に取り組むべきサステナビリティの分野をマテリアリティ(重要課題)として、9項目を特定しました。企業理念のもと、これらの項目について取り組むことで、社会課題解決への貢献と企業としての持続的成長の両立を目指していきます。
◆マテリアリティの特定プロセス
Step1 マテリアリティ評価対象の選定
短期及び中長期的な視点から、社会課題解決への貢献とNSKの持続的成長に影響を与える、または与えうる課題をピックアップし、製品の安全性、脱炭素社会への貢献、地域社会の発展などの項目をマテリアリティ分析の評価対象として選定しました。選定にあたっては、以下を中心に検討しました。
<検討した基準・アンケート等>
① SDGs、GRIスタンダード、SASBスタンダード、ESRS
② ESG調査機関のアンケート
③ 機関投資家へのアンケート/ヒアリング
これらの評価対象項目は、NSKが企業理念に定める「円滑で安全な社会」「地球環境の保全」「人と人との結びつき」との関係、コアバリュー※に位置付ける「安全」「品質」「環境」「コンプライアンス」との関係、さらにNSKのSDGs宣言や中期経営計画2026(MTP2026)の取り組み課題、毎年のリスク棚卸しから明らかになった課題、顧客やサプライヤーなどのステークホルダーと連携して取り組んでいる活動と整合しています。
※ コアバリュー:経営の意思の決定や行動において最優先される共通の価値基準
Step2 マテリアリティの特定
評価対象項目について、「NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響」(インパクトマテリアリティ)と「社会課題がNSKグループに与える影響」(財務インパクト)の重要度を、ダブルマテリアリティ※の考え方に基づき、ポジティブ/ネガティブの両面から評価・マッピングし、最も重要度の高い項目をマテリアリティとして9項目に絞り込みました。

※ ダブルマテリアリティ:社会課題などの外部環境の変化が事業に与える影響に加え、会社の活動が外部のステークホルダーや環境・社会に与える影響を評価し、マテリアリティを評価する手法
Step3 経営会議にて審議
特定した9項目のマテリアリティについて、執行部門の代表者により構成される経営会議の審議を経てCEOが決定し、オフィサーズ・ミーティングを通じてNSKグループ内に共有、取締役会に報告しました。なお、マテリアリティは、当社の経営状況や社会情勢の変化、ステークホルダーからの要請の変化等を踏まえて継続的(少なくとも3年に1度)に見直しを行っていきます。
※ 上記特定プロセスの設定と分析内容の妥当性の評価について、外部の専門コンサルタントの知見も活用しています。
◆マテリアリティ
各マテリアリティの「NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響」及び「社会課題がNSKグループに与える影響」は、以下に例示するとおりです。
<円滑で安全な社会に貢献>
1. 製品の安全性と信頼性の追求
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:品質の優れた製品・サービスにより円滑で安全な社会に貢献
- 社会課題がNSKグループに与える影響:製品・サービスの品質向上による競争力の維持・強化を通じた収益拡大
詳細は品質マネジメントをご覧ください。
2. トライボロジーとデジタルの融合による価値創出
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:顧客の期待・ニーズに対応した製品・サービスを開発、提供し、社会課題解決に貢献
- 社会課題がNSKグループに与える影響:顧客のニーズに対応する新製品の提供によって収益拡大
詳細はNSKレポート2024(特集「変わる 超える」への挑戦)をご覧ください。
<地球環境の保全を目指す>
3. 脱炭素社会構築への貢献
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:事業活動からのCO2排出/ 製品・技術を高度化し、顧客及び顧客製品のCO2排出量削減に貢献
- 社会課題がNSKグループに与える影響:電動化、CO2排出削減貢献型製品の需要増加による収益拡大/ 炭素税の負担やCO2排出量削減対策への投資
影響の詳細はTCFD提言に基づく情報開示をご覧ください。
取り組み等の詳細は気候変動対策、環境貢献型製品をご覧ください。
4. 循環型社会構築への貢献 (省資源・リサイクル)
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:廃棄物の排出等による環境負荷 / 資源の有効活用
- 社会課題がNSKグループに与える影響:製品の長寿命化、小型・軽量化、CMSなどの需要が増加し収益拡大
詳細は資源循環をご覧ください。
<グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強める>
5. 労働における基本的権利の尊重
- 社会課題がNSKグループに与える影響:ビジネス機会の損失や、企業の社会的信用が低下するリスクの回避
詳細は人権尊重をご覧ください。
6. 誠実、公正、信頼される企業文化の醸成
- 社会課題がNSKグループに与える影響:ビジネス機会の損失や、企業の社会的信用が低下するリスクの回避
詳細はコンプライアンスをご覧ください。
7. 人的資本の価値最大化
- 社会課題がNSKグループに与える影響:従業員の人的資本の価値最大化を通じた生産性の向上やイノベーション創出
詳細は人材マネジメントをご覧ください。
8. 持続可能なサプライチェーンマネジメントの実現
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:サプライチェーンを通じた環境負荷低減
- 社会課題がNSKグループに与える影響:サプライチェーンにおけるQCD等の改善を通じた生産効率や製品競争力の向上
詳細はサプライチェーンマネジメントをご覧ください。
9. 地域経済の発展への貢献
- NSKグループの事業活動が環境・社会に与える影響:生産・販売・技術の現地化を通じた地域経済の発展への貢献
- 社会課題がNSKグループに与える影響:事業のグローバル展開によるNSKグループの成長
詳細は社会への参画と発展への貢献をご覧ください。